代表 徳冨代表 徳冨

「小さくても豊かに」ってどういうこと?

住宅の世界にいると「小さくても豊かに」ってよく聞きます。

これってどういうこと?って思ってました。特にこの業界に入りたての頃は。

お客さんにも言われたり、また聞かれたりしたことを思い出します。

以前は言語化能力が足りずにモヤモヤした答えしか出せませんでした。

お客さんの方が頭が良くて、答えを出してくれていたように思います。

(プロフェッショナルとして情けない。)

現在は以前よりは言語化できていると思うので少々整理してみたいと思います。

「小さくても豊かに」という言葉は「小さい」ということが「豊かではない」ことにつながっている前提で成り立っています。「大きい」→「豊かである」というわけです。「モノ・空間の大小」が「豊かさの大小」につながっているというわけです。もちろん空間としての広さは何物にも置き換えられない場合も多いですし、それがそのまま価値の大小につながることも多いと思います。ここでは「そうじゃない場合もあるよね」くらいに考えて話を進めてみます。モノの大小が豊かさと完全に一致しているわけではない例として、私は「MINI」というクルマを思い浮かべます。その名が示す通り、決して大きいクルマではありません。しかし、「MINI」をして「安っぽい」と感じる人は少ないのではないかと思います(そして私は結構好きなクルマの一つです)。筋肉質というか、ギュッと詰まってるというか、「密度の高さ」を感じます。私はこの「密度の高さ」が空間としての大小とは関係なく「豊かさ」を感じさせているのではと思います。大きな家でも小さな家でも、この「密度の高さ」を求めた家は「豊かさ」につながっているのではないかと感じています。

「久留米の家」をその視点で評してみるならば、まさに「高い密度」の家だと思っています。ごく一般的な家からすれば広い家(とはいえ大きなハウスメーカーの展示場からすれば可愛らしい大きさかと)ですが、その空間的広さに負けない「高密度」の家。その「高密度」の空間をたっぷりと味わい、住みごたえを感じる家になると確信しています。私が勝手に盛り上がっているわけですが、完成した暁には、ぜひ皆さんにも感じていただければと思います。

完成が楽しみです。

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