突き詰めて辿り着いた立方体
突き詰めて辿り着いた立方体
HOME LABOが、初めて四角い立方体の住宅に取り組み始めたのは2003年のことでした。それが〈Simple Box〉です。
三角屋根の家が大半を占める中で、誰も見たことのないモダンなシルエットは、驚きを持って迎えられました。
あれから17年、今ではすっかり住宅の定番スタイルのひとつとして、街の風景に融けこんでいます。
当時、様々な住宅を模索していた私たちは「人々は、住まいに何を求めているのだろう」と自問自答を繰り返していました。
まず第一に、地震や台風などの災害、季節の気温変化などの外的な要因から家族の命を守ること。そして次に、家族が健康で快適な毎日を過ごせること。
さらに、長い歳月の使用に耐えられること。最後に、自分の家が好きでい続けられること。
人々が住宅に求めていることは、結局この4つに集約できるのではないかという結論に達しました。
そして、この4つのファクターに集中して開発を進め辿り着いたのが、四角い立方体だったのです。この17年で、住宅業界を取り巻く技術は大きく飛躍しました。
断熱材をはじめとした建材の性能は高まり、洗練された幾つもの新工法も考案されました。
当社の人気ブランドとなっていた〈Simple Box〉は、その都度マイナーバージョンアップを重ね、さらに高性能な住宅〈BOX〉へと進化。
太陽光発電システムも標準装備となり、ZEH住宅の認定も標準で受けられるようになりました。
立方体を選んだ第一の理由である「安心」は、段ボールの箱をイメージするとわかりやすいかも知れません。
紙でできているにも関わらず、多面で支えられた構造で、中の荷物を保護します。力学的にも合理的なこの形が、地震の揺れや台風の横風から、家族をしっかり守ってくれるのです。第二の理由である「快適性」は、HOME LABOがもっとも得意とする分野です。
壁の内部に高性能グラスウールを充填し、これを外側からボード状断熱材で包み込んだ二重断熱工法(付加断熱)が、冬の寒気や夏の猛暑が室内に侵入することを防ぎます。第三の「耐久性」に関しては、6方を面で支えられた頑丈な骨格に加え、メンテナンスへの配慮も行き届いています。
たとえば屋根に使用されているガルバリウム鋼板は、軽く耐久性にもすぐれた外装材です。仮に屋根を葺き替える際にも、低コストで行える工法を採用しています。
飽きのこないシンプルでモダンな外観デザインは、第四の理由である「愛され続ける家」にも通じます。
家族の成長とともに室内のあちらこちらに想い出が積み重なり、住むほどに愛着はますます深まっていきます。
世代を超えて住み続けられるだけの充分な性能を持った〈BOX〉は、当初からスケルトン・インフィルという思想の元で設計されました。
新築当初、家族の暮らしにあれだけフィットしていた間取りも、決して永遠ではありません。つまり長く住み続けられる家とは、家族のメンバーや年齢の変化にしたがって、柔軟に間取りを変更できる可変性の高い空間でなければならないのです。
〈BOX〉ではこれを実現するために、構造体(スケルトン)と内装間仕切り(インフィル)を分離した設計となっています。
内部の柱や壁に出来るだけ頼らず、家全体を外周部で支えている〈BOX〉だからこそ、構造上の制約を受けることなく間取りを自由に変更できます。
長く愛され続ける家にとって、これはもう不可欠な仕様と言えるのではないでしょうか。
EXTERIOR
〈BOX〉の外形寸法は8mを基準(8m×8m、8m×10mなど)にしています。
その中から、家族の楽しい暮らしを実現できるサイズの立方体を選び、間取りを設計していきます。
デビュー当初は先鋭的な印象をもたれていたキューブのシルエットも、17年目となる今日では、街の風景に自然に融けこむポピュラーなものとなってきました。
標準仕様として採用されているガルバリウム鋼板の壁は耐久性にもすぐれ、新築当時の性能を長く保ち続けてくれます。
外観にナチュラルな雰囲気を持たせるために、外壁の一部に天然木をあしらったデザインも人気です。
外観デザインのポイントとなる、窓の位置や大きさは、担当建築士の腕の見せどころです。
INTERIOR
〈BOX〉オーナーの中心層は、20代~30代の子育て世代です。
LDKを広く取り、家族が一緒に過ごせる時間を大切にしている人たちが多くいます。
LDKで目をひくのは、標準仕様のひとつとなっている無垢材の床です。夏は素足が心地よく、空間全体をやさしい雰囲気で包みます。
吹抜けを採用したお宅では、大きな梁が存在感を放っています。
吹抜けの高い位置に設けられた大きな開口からは、自然光が射し込み、LDK全体を明るく照らします。
リビング階段の間取りでは、ストリップ階段が採用されることも多く、視覚的な演出にも一役買っています。
最近ではキッチン近くにパントリーを設けるプランも増えてきました。
PLAN
構造体と内装間仕切りを分離した、スケルトン・インフィルで設計されています。
間仕切りの壁や柱に頼らなくても充分な強度が確保されていることと、Ua値0.34以下というハイレベルの断熱性能を活かして、1階と2階とを繫ぐ大胆な吹抜けをはじめとした、比較的オープンな間取りを好むオーナーが多く、家族の一体感を高めています。
間取りに関しては、フルオーダーの住宅とほとんど変わらない自由度の高さが〈BOX〉を選ぶ大きな動機になっているようです。
子どもがまだ小さなご家族では、2階をフルオープンにしているケースもあります。
新築時には共有空間として家族みんなで過ごして、必要な時にその都度仕切っていけばいいという、スケルトン・インフィルの家ならではの発想です。
PERFORMANCE